4/21時点 今後のシミュレーション

これからするべきことを整理するために、今後のシミュレーションを書きます。
もし事態が好転したらどうなるか、悪くなったらどうなるかを理解するためのもので、予言ではありませんので悪しからず。

【悪いシナリオ】
条件:菅内閣存続/脱原発を求める世論が政治を動かせず/原子力行政変わらず/原発事故対応のシフトも変わらず/東電賠償案が4/21時点の政府素案に基づく/復興税が4/21時点の素案に基づく

[社会]
・復興税としての消費税3%増税が可決され、夏から施行
 →消費落ち込み、さらに拡大。被災者から「税還付は来年で複雑。それまでに生活が破たんする」と批判があがる。
・東電、賠償金分を電気料金に転嫁。また、他電力会社も安全対策費用を電気料金に転嫁。夏、東電管内では各家庭で節電に励むものも、「クーラー我慢しているのに電気料金が昨年より高い」と不満の声。
・TPP締結交渉開始

[原発関連]
原子力委員会が延期していた「原子力政策大綱」策定を行う。「津波対策、電源喪失対策を十分に行うこと」という項目を盛り込む
福島第一原発、水による冷却を続行。想定外の場所で汚染水漏れが発覚し、また諸外国から批判を浴びる。
・小規模の水素爆発が発生し、再び放射線量が上がる。政府「避難地域拡大の必要はない」
・余震と見られる地震が静岡沖で発生。大規模の津波は起こらず。浜岡原発が配管に被害を受けて冷却水が大量に漏れ出し、燃料棒露出、溶融。放射性物質漏洩。

↓(十年後)

[社会]
・長引く不況。「消費税増税が復興の足かせとなった」「TPP締結と放射能汚染による輸出減で貿易赤字に」とシンクタンクが見解を発表。
出生率が0.7まで低下。「放射能の影響など未来を不安視」という回答が三割を占める。
・「日本の電気料金が右肩上がり。原発の安全対策費、賠償金などが電気料金に転嫁され、安価な再生エネルギーの導入が進まないため」との分析。
・日本のエネルギー自給率、7%に。

原発関連]
・事故当時の政府高官が「十年前の原発事故で、賠償金額が膨らむのを恐れて避難地域を狭めた」と告白。原発反対の大規模デモが起きるが、機動隊により鎮圧。マスコミが「一部が暴徒化したため」と報道。
・福島などで甲状腺ガンの若者、子供が数万人に。政府「福島事故との因果関係ははっきししない」と答弁。被害者の会が訴訟を起こす。
・東電が東通原発建設を開始。住民の強硬な反対を機動隊で排除。



【良いシナリオ】
条件:脱原発を求める世論が政治を動かす/原子力行政にメスが入る

[社会]
菅内閣が不信任案可決で退陣。超党派のエネルギーシフトを目指す国会議員が会派を組み、組閣。
・復興債を発行してインフラ整備、住宅建設、再生可能エネルギー実用化に投入。復興税は設定せず
・政府、東電の原発事故賠償を積み立て不足分の8割を肩代わり。その代わり、東電を発電/送電・配電会社に分離し、送電・配電会社の株式を政府が取得。東電賠償の肩代わりに批判が集まる。
・災害復興に力を注ぐため、TPP交渉は延期

原発関連]
・総理大臣が「自分の責任で事故収束を行なう」と明言し、担当大臣を決めて実務に当たらせる。
・担当大臣が福島第一に原子力学者を派遣、放射性物質測定や原子炉内の調査に協力。全ての情報を逐次開示する。
原子力委員会から東電関係者を外し、「原子力政策大綱」を作成。安全基準の抜本的見直し、新規原発建設凍結、再処理計画の凍結が柱。
SPEEDIデータを毎日開示し、線量総計に基づいて避難を行なう。
放射性物質の影響のある場所で、アブラナ、ヒマワリ、ヘンプ等を用いた土地改良を行なう

↓(十年後)
[社会]
・東電から分離した送電・配電会社が全国の送電・配電を統合。発電の自由化が進み、再生可能エネルギー発電会社が急成長。
 家庭や企業での自家発電の取り組み、スマートグリッドの取り組みにより電気利用の効率化が進む。
・東北では太陽光発電風力発電、潮力発電などにより発電量の70%をまかなう。電気の低料金化により、経済復興が進む。

原発関連]
原発、新安全基準と高騰した保険料により国営化が進み、国による廃炉作業と最終処理場建設が行なわれる。
・福島などで甲状腺ガンの若者、子供が数万人に。政府、福島事故との因果関係を認め、補償を行なう。
福島第一原発、解体は行なえないものの炉心冷却が進み、放射性物質放出はほぼ抑えられる
・早期土地改良の取り組みにより、東北・関東の農業復興

以上です。
ただ、海への放射性物質放出に関しては良いシミュレーションが思いつきませんでした。
海に拡散してしまったものはどうにも改善のしようがないからです。