5/6提言 東電顧問・加納時男を国会に参考人招致せよ

5月5日の朝日新聞に掲載された東電顧問・加納時男のインタビューには大きな問題があります。
それは、「低線量放射線は健康にいい」ということ(いわゆるホルミシス効果説)を主張している点です。

現在、東電は福島第一原発事故の収束に向けて活動を行っていますが、いまだに放射性物質は漏れ続けています。漏れた放射性物質は様々な被害をもたらし、農業、漁業、畜産業に大きなダメージを与えているだけでなく、周辺地域の住民の生活と健康を脅かしています。

もし、東電が「低線量放射線は健康にいい」という考えのもとに放射性物質を漏らし続けている、あるいは放射性物質の漏洩の努力をゆるめているのだとしたら大問題です。4月4日から始めた汚染水約11,500トンの海への放出も、「健康上まったく問題ない」という認識で行った疑いがあります。これは業務上過失傷害罪にあたるのではないでしょうか。

もともと東電の副社長で原子力部門を担当し、その後政界へ転じて参議院議員を12年務め、国のエネルギー政策を動かしてきた加納氏の発言は重いものがあります。この加納氏の「低線量放射線は健康にいい」という認識が、東電の経営一般の認識なのか、国会に招致して質すべきです。

この問題とは別に、加納時男が自民党内で立ちあがったエネルギー政策合同会議に参与として入っていることも問題視されてしかるべきです。いままでさんざん個人献金や広告費で自民党に金を貢ぎ、「政治と企業の癒着を生んだ」と批判されている東電が、その批判のさなかに野党とはいえ第二党のエネルギー政策に直接介入しているのです。
自民党は、今までの東電との癒着を真摯に受け止めるなら、加納時男をすぐにエネルギー政策合同会議から外すべきです。